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遺言の作り方の基礎知識

遺言書を作成する上での基本的な知識の解説するページです。

遺言を作る前に

遺言書を作成する前に検討・準備する事はどのような事があるでしょうか?

1.自分の財産を整理し、財産目録を作成する

土地、銀行預金、株券、投資信託等漏れがないよう整理し、財産目録を作成する。

2.財産を配分はどうするのか

誰にどのように相続させるかは残された家族の心情をよく配慮して慎重に検討しましょう。安易な配分は残された家族間の相続争いを必ず引き起こします。客観的に遺言書の内容を考えましょう。

3.相続人の遺留分についての考慮

被相続人の兄弟を除く法定相続人には法律で定められた遺留分がありますので相続人の遺留分を無視した遺言書は相続争いは避けられません。遺留分を十分配慮して内容を検討しましょう。

4.いろいろな状況を想定して遺言書の内容を検討する

相続または遺贈する方が先に亡くなってしまう事もよくある事です。 その場合誰に相続させるのかについても十分検討しておく事が重要です。継承者が先に亡くなってしまい思わぬ方に財産が継承されてしまうケースもよくあります。

5.相続税も考慮する。

相続税の事も事前に考慮する必要がありますので税理士等の専門家に事前に相談しておきましょう。

6.祭祀承継者を考慮する

家督相続が廃止され、お墓を守る事への責任があいまいとなっており、祭祀の承継で揉めるケースもよくありますので継承者を誰にするかも検討しましょう。

7.遺言執行者の指定

相続が揉めないようにする為には利害関係のない第三者の遺言執行者の検討も重要です。


遺言事項(遺言で指定できる主の事柄)

遺言書によってなんでも効力が発生する訳ではありませんが、下記の事柄については遺言書で指定する事ができます。

種類 内容
相続分の指定 法定相続分とは異なる相続分を法定相続人に指定できる。
遺贈 法定相続人以外の人に財産を贈る事ができます。
認知 婚外の子(愛人の子)を子供として認知する。
相続人の廃除 法定相続人が遺言者に虐待等を行った場合に、相続させないように指定できる。
遺言執行者の指定 遺言に書かれた内容を実行する遺言執行者の選任。

遺言書を作れない人とは

1.15歳未満の未成年者

未成年が契約などの法律行為を行う場合は法定代理人の同意が必要ですが満15歳以上であれば親権者などの法定代理人の同意がなくても遺言を作成する事ができます。

2.高齢者

高齢者でも年齢による制限はありませんが、認知症など意志能力のなくなった高齢者の遺言は無効となります。

3.成年被後見人(せいねんひこうけんにん)

成年被後見人は遺言書を作成する事はできません。 しかし物事を認識する能力を一時的に回復している時に医師2名の立ち会いと物事を認識する能力があった旨の証明書を添付する事により遺言書を作成する事ができます。


遺言書の種類

遺言書の種類は普通方式と特別方式の2つがありますがここでは普通方式の3種類の遺言書について解説します。

種類 内容 長所 欠点
自筆証書遺言 一般的に利用される方法で、遺言者が全文、日付、指名を自署し、捺印する。 手軽に誰でも作成でき、遺言書の内容を秘密にできる上費用がかからない。 家庭裁判所で検認が必要。書き方に不備があると無効となる事がある。 紛失や偽造される危険性もあり。
公正証書遺言 公証人が遺言者から遺言の趣旨の口述をもとに遺言書を作成し、その遺言書の原本を公証人が保管する。 法的に確実な遺言を残すことができ保管される偽造、変造の心配がない。 紛失しても再交付ができる。 証人が必要なため 立会の証人に内容が判ってしまう 。また手間と費用がかかる
秘密証書遺言 遺言の内容を秘密にし、自筆証書遺言よりさらに安全にしたい場合に作成するものです。 公証人に確認を受けた後は自分で保管します。 遺言内容を秘密にでき、また偽造、変造の心配がない。 内容の不備で無効になる事がある。庭裁判所で検認が必要となります。